跳ね馬 2016 10 23
書名 フェラーリのすべて モーターファン別冊
出版社 三栄書房
トヨタ自動車は、生産能力、品質管理など、
総合力で考えれば、世界一位になったでしょう。
しかし、工業デザインにおいては、
世界一位から遠いものがあります。
結局、トヨタ自動車は、フェラーリもポルシェも作ることはできなかったのです。
大衆車を作って、世界一位になったと言えるかもしれません。
しかし、それでは危ういものがあります。
工業デザインの力を軽視しているかもしれません。
5年ぐらい前までは、
日本メーカーが各社で競って、
高性能なスマートフォンを作っていました。
しかし、結果は、日本市場においては、
「iPhone」の圧勝に終わりました。
日本製品は、性能においては、
iPhoneに負けないどころか優れたものさえありました。
しかし、日本製のスマートフォンが劣っている部分がありました。
それが工業デザインです。
iPhoneのデザインは、シンプルだけれど質感があって、美しい。
これが、日本市場で圧勝した要因のひとつでしょう。
性能競争で勝っても市場では負ける。
それは、工業デザインで負けるから市場で負けるかもしれません。
「シンプルだけれど質感があって、美しい」が重要です。
日本の自動車は、性能も品質も世界一でしょう。
しかし、工業デザインでは世界一とは言えません。
性能競争で勝っても市場で負けたスマートフォンの「二の舞」にならないように、
日本企業は、工業デザインを重視しましょう。